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ノアだけはガチ [コロンボまとめ]

「死者のメッセージ」 シーズン7-1 1977/11

 老女流ミステリ作家が犯人。姪が死んだヨット事故が、姪の夫の犯行であると見抜き、復讐に殺害する。遺産を相続させると美味いことを言い、皆の前で出て行くところを見せて、誰にも見られないようにこっそり自室に来るようにし、金庫に閉じ込めて窒息死させた。計画するところは完璧だが、突発の事態に対する対応は雑でアラが出まくる。理論と実践の違いだね。遺体のベルトを外してひっかいた形跡があったが、ドアの内側をひっかいたのではなかったこと、車の鍵がどこにもないことがおかしいと捜査開始。犯人のあとあとの対応があまり良くなく、秘書には恐喝される始末。被害者がダイイングメッセージを残していたのだが、簡単には分からないように残していた。姪の事件の時にコロンボが担当していればこんなことにならなかったのに、という最後の言葉が悲しい。

「美食の報酬」 シーズン7-2 1978/1

 料理研究家が、有名料理店の批評と引き換えに金を巻き上げていたのだが、ついにある店のオーナーが告発すると言い出したので殺害。フグのキモを処理するシーンはあったが、被害者と犯人の会食が始まるやいなや口論が始まりワインが運ばれる前に犯人は退席、どうやって被害者に毒を盛ったかは最後の種明かしシーンまで分からない。フグのキモのシーン、フグを包んでいたのも日本語の新聞でけっこう細かい。
 会食が始まってすぐ退席したのに、犯人は友人を空港に迎えに行ったとのこと。最初から会食がすぐに終わると思っていたのではないか?毒殺された人と会食したというのに、知らせを聞いて自分も病院に行ったりせずまっすぐ現場に駆けつけるのも普通の行動ではない。
 最後のコロンボが料理を作って振る舞うシーンは見物。犯人とコロンボの対決が存分に堪能出来る、色物ではない名作でしょうこれは。

「秒読みの殺人」 シーズン7-3 1978/2

 テレビ局のプロデューサーが、支局長に切り捨てられたのを恨みに思って殺害。テレビ局でのドラマの試写中に、テープの切り替えタイミングを使ってアリバイを作る。カウントダウンを聞きながらの犯行シーンがスリル満点。その後も印象的なシーンが続く。
 被害者がめがねを頭の上にのせていて侵入者を良く見ようとしていなかったことから、テレビ局に侵入してきたキチガイやテロリストではなく、犯人は知り合いであると推測、捜査開始。
 冒頭のカウントダウンを聞きながら犯行のシーン、廃屋での対決、後半の拳銃回収シーン、撮影現場で多数のモニターにコロンボが映り犯人がパニックになるシーンなど、とにかく印象的なシーンも多く、音楽も印象的で良い。

「攻撃命令」 シーズン7-4 1978/4

 自己啓発セミナーを主催する心理学者が犯人。奥さんと親友が不倫しており、数ヶ月前に奥さんは自動車事故で死んでいる。飼っている猟犬2匹を人を襲うように訓練して、自宅で被害者を電話越しにキーワードで殺害。受話器が外れていて誰かと通話していたはずなのに、犯人が電話がかかってくる用事が無いと断言したこと、誰か別の人が電話していたなら、騒ぎを電話で聞いたはずなので通報するはずなのだが誰も通報しておらず、ここがおかしいところ。

「策謀の結末」 シーズン7-5 1978/5

 アイルランド出身の詩人、実はIRAの闘士であり、アメリカからアイルランドに大量の武器を密輸しようとしていた。武器調達係が裏切って持ち逃げしようとしていると疑い殺害。最初のコンタクトに使った犯人の著書の詩集にサインがあったことから、コロンボが犯人を訪ねていく。
 恨み辛みや金ほしさの殺人犯ではなく、全て信念に基づいて行動し、コロンボと対決する犯人は見応え十分。旧シリーズの最後にふさわしい話となった。

 シーズン7は音楽の使い方が非常に上手いですね。テレビシリーズは一旦終了し、1989年に復活します。

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日本の国土!! [コロンボまとめ]

「ルーサン警部の犯罪」 シーズン6-1 1976/10

 「大人気刑事物テレビドラマの主人公役」が犯人というなんともしゃれた物。長年強請ってきていたマネージャーを強盗の巻き添えに見せかけて殺害。背中の傷と服の穴がずれていることから、被害者は手を上げたまま背中から撃たれたことになるが、それは強盗の場面と合わないことから捜査開始。犯行時刻のアリバイを聞かれる前から話し始める犯人、アリバイ時刻に同席していた人の腕時計が、5分進めている習慣だったのに一晩で正しい時刻に戻っていたことから、その人を使ってアリバイを作ったのは明らか。犯人が刑事役なので「刑事」役として「犯人」のことをどう思うか犯人本人に尋ねるなど、かなりスリリングで緊迫した対決シーンが見物。

「黄金のバックル」 シーズン6-2 1976/11

 名家の私設美術館の女性館長が、赤字だから美術館を売却しようと言う理事の弟を殺害。姪が警備員に雇ったチンピラを美術館泥棒に仕立て上げ、泥棒発見時の相打ちを装って二人を殺害。チンピラが海外に高飛びする格好なのにパスポートや荷物を持っていないことを疑問に思い捜査開始。決め手は被害者がテープに吹き込んでいた目録一覧の口述が決め手となる。
 オールドミスの女性館長と姪や親族との関係、さらには昔の姪の父の死亡事件など、暗いトーンが漂う独特の一作になっているが名作。

「殺しの序曲」 シーズン6-3 1977/5

 天才クラブに入っている会計事務所の経営者が、横領を見つけられたので共同経営者を殺害。天才クラブの建物で、会合の合間にレコードプレーヤー、分厚い辞書、爆竹、傘、勝手に閉まるドアなどを駆使してアリバイを作り上げ、侵入した泥棒が発見されたところを殺害して逃げたように工作した。銃声から外側のドアが閉まるまで30-40秒かかっており、泥棒がそんなにもたもたしていたとは思えない、曲の途中から始まる設定のレコードプレーヤーも変、というところから捜査開始。犯人も、優秀であっただけに子供の頃から苦労していたようで、パープリンの浪費家奥さんを貰ったために横領しなきゃ成らなくなったのは悲劇。最後はコロンボも天才と認められる。と言うかいろいろな犯人から認められる超人に最後の方なっちゃってるのよね。
 最後の方で犯人とサシで対決しているときに、コロンボが自分の生い立ちから経歴、刑事の心得などを語るシーンがある。おそらくこの話で完結する予定が一度は有ったのでしょう(実際はご存じのとおり旧シリーズももう少し続いた)。

シーズン6は話数は少ないですが、どれも見応えがありますね。
 2020.5.4 あちこち追記

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基本的に不眠症 [コロンボまとめ]

「忘れられたスター」 シーズン5-1 1975/9

 往年のミュージカル名場面集映画が公開された。昔のスターがそれを機にカムバックを画策するも夫に断られ、夜に映画を見る習慣を利用しアリバイを作り、自殺を装って殺害。夫が直前に読んでいた本を見て疑問、健康をはかなんで自殺する直前に滑稽本を読むか?その後、犯行当時に見ていた映画の上映時間が15分長かったことが判明。おそらくフィルムが途中で切れて、つなぎ直して観たのだろうが、つなぎ直すのには3-4分しかかからず、10分以上時間が余る。犯人が上映室にいなかった時間が有ったとしか考えられない。
 ただ犯人のおばあちゃんミュージカルスターが、明らかにボケてて短期記憶に問題があるのは明らかな描写なんですな。見直してみると、そもそも犯行直後、召使いが夫の寝室のドアを叩く所で驚いており、そこで既に自分が殺したことを忘れてるっぽい。
 劇中で流れるミュージカルは犯人役のジャネット・リーが実際に出演していたミュージカル映画を使っている。
 
「ハッサン・ハラーの反逆」 シーズン5-2 1975/10

 (架空の)中東の小国の総領事代理が、長年の横領がばれるのを恐れ、テロリストの犯行に見せかけて金庫をばらし、領事館の警備部長を殺害。部屋にぶちまけられた金庫の中身の上に、金庫を爆破したときの粉塵が積もっており、中身を出してから爆破されたのは明らか。残されたコーヒーから警備部長が部屋に行った時間も矛盾がある。治外法権の領事館の中での捜査に手こずるコロンボが見物。
 総領事館の前でデモしていたデモ隊が実は国王派と言うのがおもしろい。外交圧力がかかるも、最後には若い聡明な国王を利用して犯人をひっかけ。

「仮面の男」 シーズン5-3 1975/11

 CIAのかなり偉いスパイが犯人。内職の分け前を要求してきた同僚を、新しい仕事と夜の海岸におびき出し撲殺。物取りの犯行に見せかけた。だが被害者の上着が脱がされているのを観てコロンボが疑問をもち捜査開始。CIAに取り囲まれ捜査を止めるように説得されるコロンボは見物。
 手がかりや伏線が丁寧に配置され、丁寧に回収されていく観ていて爽快な名作。言い逃れ出来ないと悟るとすぐに「どこでわかった?」とさっと観念する犯人も良い。監督・犯人役はパトリック・マクグーハン。

「闘牛士の栄光」 シーズン5-4 1976/2

 「歌声の消えた海」の後日談でメキシコにいる設定。ひょんな事でメキシコの刑事と知り合い、ついでに捜査に参加する。足を怪我して引退しているメキシコの伝説の闘牛士が、牧童を闘牛をけしかけて殺害。自分の留守中に牧童が勝手に、怪我をした息子の仇討ちをしようとして事故死したと見せかけた。犯人が出かけるのに、前もってパワステの着いていないオープンカーではなく、自分で運転出来る新しい車を用意するように言っていたことに疑問。なんでお付きだった被害者が居ないことが前もって分かっているような行動を?最初は闘牛に関して素人な質問ばかりだったが、闘牛について勉強していきやがて犯人に認められ、犯人を詰めていく、「別れのワイン」と同じような構造でもある。

「魔術師の幻想」 シーズン5-5 1976/2

 ジャック・キャシディ再登場!!犯人である魔術師が、公演中のクラブのオーナーに元ナチであることをネタに強請られていた。脱出マジックの最中にトリックを駆使してアリバイを作りながら殺害。現場を見たコロンボは、被害者がドアから離れていたところで正面から撃たれていたのを疑問に思う。被害者がドアを開けたのではない!!犯人のトリックを一つずつ解いていく所が素晴らしい。コロンボが新しいコートで出てきたり、「悪の温室」で出てきたウィルソン刑事が再登場したりニヤリとする所多い。

「さらば提督」 シーズン5-6 1976/5

 造船会社の創立者の「提督」が会社を売却しようとしていることに経営者の犯人が気がつく。その夜、犯人は被害者をヨットで海の沖に投げ捨て、スキューバダイビングでヨットから夜の湾を泳いでアリバイを作った。被害者はやがて発見されるが、検視すれば事故死ではなく死んでしばらくして海に投げ込まれたのは明らか。捜査していってアリバイを崩していくさなか急展開が!!酔っ払いの奥さん、遊び人のおじさん、飄々とした謎の弁護士、謎の小娘・・・と、くせ者勢揃いの登場人物も面白い。
 ジャクソン・ギリスのひねった脚本とパトリック・マクグーハンのいちいち面白いエキセントリックな演出が見物。

 シーズン5は変わった話が多い。全部把握したと思っていても、文章をいざ書くと、見返さないと何にもかけない物ですなぁ。
 2020.5.4 あちこち追記

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