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資本主義と社会主義とか、あるいは社会主義が何故ダメだったのか [その他7]

これは某ついったに書いた物をまとめて書き直そうとしたものです(書き直したんじゃないの??)

 そういえば『革命とサブカル』(安彦良和)を出たばっかりの時に買って積ん読しておいて、こないだ隊長が言及していたので、そう言えばと、探したら全然見つからなくて、こないだやっと同人誌の山の中から見つかったのだが、おそらくひょいとそこら辺において、紛れ込んでしまったのであろう、ちびちびと読んできて、やっとこないだ読了したのだが、確かに感想が難しい本であった。
 70年代の弘前大学に居て、赤軍派とかなり近くに居たのですねぇ。若き日に革命を夢見たのが未だに忘れられないというか、現実が受け入れられないのか。オウム事件が連合赤軍事件の上書きになっててムカつく、と言う感想は、お前ら何言ってんだとしか言いようが無かったが。

 しかし、なぜ当時あんな滅茶苦茶な結末になってしまったのだろうか。70年代の大学生なんだから、今のおバカ学生じゃなくて、頭良いはずなんだけどね。と言うか、そもそも戦前戦後くらいには、社会主義が言説として実効性を持っていて、インテリ、大学生はみなサヨクだったのだ。これについては丸山眞男ですら「革命無しにこれだけ世の中が豊かになるとは思わなかった(大意)」といっていたくらいで、しょうが無い部分もあるけどね

 本の内容は当時の革命闘士に最近インタビューしたのが半分、安彦良和のだらだらエッセイが半分くらい。インタビューを読んでも頭を抱えるところが多い。みんなバカじゃ無くて、インテリで、今では仕事でも成功している人が多いのに、9条守れとか思想はお花畑のままの人も居るのね。あとはアレだ、やっぱり、「自分がこう考えるから、他人も同じように考えるはずだ」という発想から、人はなかなか逃れられないものなのですな。ただ、だいぶ目が覚めて現実的に考えて、安倍政権を指示する、と言える元革命闘士も居るわけで。やっぱりバカだからサヨクになった訳じゃあ無くて、これはまあ革命という言説が実効性を持っていた時代に寄るものなのかも知れない。
 これを読んで、連合赤軍の事とかも少しずつ分かってきた。まあこれ以外にいろいろ読んできたのだけれどね。やはり赤軍派と京浜安保共闘の2派が合流して出来たおかげで、どうしても主導権争いがあったので、なかなか譲歩や妥協が難しかったのが、事態がエスカレートした一因であったのだろう。

 安彦良和が、「サヨク思想が自分らの世代から、いまの20代の世代まで飛んでいて、途中の世代に受け継がれなかったのは何故か(大意)」と言うことを言っていたが、それは別に伝達の問題じゃ無いと思ったな。つまり今40前後の世代って、物心ついたときに東側の街は灰色でものが無くて行列ばっかりの光景をテレビで見てて、ソ連が崩壊して天安門事件が起こって、と言うのを子供心の時とか思春期に経験していて、要するに「社会主義はダメ、一党独裁はダメ」というのが染みついているのです。この「社会主義はダメ」という意識が理屈では無く、感覚として染みついていて、「革命すれば世の中が良くなる」とか言う言説を心底馬鹿にしているのですね。これが今の20代だと、要するにソ連崩壊とか生まれる前の出来事だしロシアはなんかやんちゃに活動してるし中国は経済発展してるし、今の若い人は社会主義がダメと言う事が感覚として分かっていないのでしょう。だから「世の中を良くしよう」と思うと、とりあえず世の中の仕組みを変えると良くなるんじゃ無いかと無邪気に思ってしまうのでしょう。

 これは僕も子供の頃は「資本主義と社会主義とどちらが正しいのか」とか考えてよく分からなかったのですが、最近になってようやく分かってきたのですが、社会主義計画経済ってとにかく効率が悪いので上手くいかないんですね。どちらが正しいか、じゃなくて。
 計画経済をやると、効率が悪いのと、部分最適の罠に陥りまくって経済がぐちゃぐちゃになる、と言うのは山形浩生先生のブログの最近の連載でやってますよ。これを読んで、僕もだいぶハッと気がついていろいろ整理できました。
 まあそもそもマル経が、当時の産業革命時のイギリスの経済の説明は出来るのかも知れないが、どんどん時代も変化していくのに、宗教化してしまって、理論のアップデートが出来なくなって仕舞ったのが、原因の一つなんでしょうねぇ。マル経以外の経済学を見れば、どんどん新しい理論が出てきて、ノーベル賞とか取ってるのに、しばらくするとバカじゃねーのもう通用しねーよとか言われて新しい理論がどんどん出てくる、を繰り返していますからねぇ。

2019年4月8日あたりのツイート連投を再掲、適宜書き直し

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