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局部修正というキャンセルカルチャーを全国人民の団結の元に撲滅粉砕 [その他8]

『謎の平安前期 ―桓武天皇から『源氏物語』誕生までの200年』(榎村寛之 著 中公新書 2783)

 言われてみれば8世紀の奈良時代と、10世紀後半以降の平安時代後半にはえらくギャップがある

● 律令制度に基づいたしっかりした大きな政府が全国の田畑を管理
● ちゃんとした国軍があり防人制度など整備されている
● きっちりした官僚制があり、地方出身、下級貴族の文人が出世するキャリアパスもあり、公的な歴史書が残されている
● 女性もキャリア官僚としてバリバリ働いており女性の本名が公文書に多く残されている
● 服装など風俗はけっこう唐風だった

 それが200年後には

● なんか荘園制になってて田畑を貴族や寺社が管理してる
● いつの間にか国軍が無くなってて治安維持に武士階級が形成され始め
● なんか藤原摂関家が政治を独占しているんですけど。歴史書もいつの間にか書かれなくなった
● 女性の本名がほとんど記録されなくなってる
● 現代の平安時代のイメージの風俗にいつの間にか変わってる

とガラッと変わってしまってるんですな。それが平安前期に変化している様を順に説明しています。天皇の家系毎の後継争いとか藤原家の有力者に跡継ぎが居るとか居ないとか、わりとひょんな事でその後の展開が変わったりと、結構興味深いです。

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