SSブログ

台湾独立!ウイグル思想矯正キャンプ! [その他8]

『人新世の資本論』斎藤幸平 著 集英社新書 2020

 前回読んだときはかなり斜め読みだったが、今回改めて読んでみて、こんなのが持て囃されるのかと驚いた。全章全節ツッコミどころ満載で、これは時間が有るときに一度は全ツッコミ大会をやりたいモノだが、とりあえず簡単に指摘すると、中盤のハイライトで

①マルクスすげー!マルクス最高!マルクス神!
②マルクスの最晩年のメモや研究ノートを調べると、『資本論』第一巻執筆当時の「生産力至上主義」から「エコ社会主義」に考えを改めていた。その考えをまとめられずに、自分では第二巻以降を刊行できなかった
③つまり神であるマルクスも支持するエコ社会主義サイコー!脱成長コミュニズムは正解!

との趣旨であるが、まあ百歩譲って②が正しいとしても、①が完全に間違っているので、③が正しくないんだよな。
 その他後半は、「資本主義がダメだからコミュニズム」も「あちらが間違いだからこちらが正解」という雑な議論で理屈が全く通っていない。欠乏と潤沢と言っても、社会主義が潤沢を生み出したのを見たことが無いというか、計画経済を実行すると非効率すぎて欠乏の嵐になると言うのはいままで散々論証されているしね。エコ社会主義の具体例も、なんか理想に燃えた子供の想像をそのまま書いているだけというか、大量消費を止めて昔の生活に戻れば豊かな生活になるという謎理論なんだが、大量生産をする前の中世や近世の庶民の生活が豊かなモノだったというのが全く理解できないなぁ。大量生産を止めるとまずテクノロジーが維持できなくなりますからね。どうも読んでいると、現代のテクノロジーを保持したまま中世ヨーロッパのカッコいい生活が出来るようになるとか「なろう小説」みたいな事をどうも夢想しているとしか思えない
 あと「使用価値」という単語が出てくる議論は全てクソですので。この単語が出てきた瞬間に「ああ聳え立つクソなんだな」と分かります。まあ全章全節にわたって議論が粗雑で論証がなされていない思い込みの羅列で、これが世界レベルで持て囃される左翼界隈ってなんなんだよと思いますな。

EqmpXpvUcAA_zDy.jpg
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感