SSブログ

いかがでしたか? [その他7]

 こないだから「頭の良い人は説明が上手い」みたいな話がついったで廻っているが、ちょっと違うなぁ。頭の良さと言うより、「物事を深く理解していると、本質を手短に的確に説明できる」だな。「きちんと理解していないと、的確にコンパクトに説明できない」とも言う。
 説明する側がきちんと理解していないと、「説明を聞いてもなんかごちゃごちゃしている」「本を読んでも説明が複雑で分かりにくい」「話がなんか長い」となる。

 この「読んでもよく分からない」というのが、いくつかのパターンしか無くて、
① 本当に難しいことを言っている
② 前提となる知識が多い
③ 説明する側がよく分かっていない
と言うのが有る。そして、①の場合は滅多に無い。理系だと②が多い。専門用語ばかり並んでいたら、もちろん専門用語を分かっていないとダメだしね。人文系でよく分からないのは、体感的にはほとんど③だね。哲学でも本当に難しいことを言っているのは、現象学とかごく一部じゃない?

 まあ、一つ問題なのは、その説明が「本当に難しいことを言っているのから聞いても難しくて分からない」のか、「説明する側が混乱しているので書いていることがよく分からない」のかは、聞く側がある程度知識が無いと判別できないことなんだな。
 もっと面倒なのは、一言で簡単に説明されたときだな。「本質を一言でズバリと言ってのけている」のか、「それっぽく短く言っているだけの間違ったいい加減なまとめ」なのか、だが、これがまた聞く側にある程度の知識が無いと、判別が出来ないのだね。と言うか、たいていの人はその区別があることすら判らず、テレビで「悪いのは○○」とか「○○が癌に効く」とか分かりやすい言説が垂れ流れているけど、たいていの人はこういうの鵜呑みにしちゃう。
 つまり、聞く側にこそ、頭の良さと知識が必要とされているんですよ。自分で勉強していないと、「わかりやすい説明」になんか出会えないのですな。

 そしてさらに面倒くさいのが、「○○が悪い」「○○を取り除けばユートピアが訪れる」というわかりやすい言説は、頭がいい人にも魅力的な事なんだなぁ。だんだん話がずれてきたけど、「原因と解決法をコンパクトに提示される」ってのは、非常に魅力的で、とくに頭が良くてエリートで理想に燃える若者ほど、コロッと参ってしまうのよね。

IMG_5760(1).JPG
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感