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局部修正というキャンセルカルチャーを全国人民の団結の元に撲滅粉砕 [その他8]

 そう言えばこないだ日本赤軍のおばあちゃんが出所していた。花束とか渡していて、いやそんなもん渡すなよと思ったが、刑期を満期していたら一応身ぎれいになったと言うことなのかな?
 それはそうと、新左翼が何であそこまで過激化してしまったというのも謎だったのだが、もちろん左翼や共産党が暴力革命を認めていて、暴力を行使する下地があったというのはあるだろうけど、それにしてもあの凄惨な内ゲバや内々ゲバに発展するには飛躍があるなと思っていました。

『激動 日本左翼史 学生運動と過激派 1960-1972』 (講談社現代新書) 2021 池上 彰 佐藤 優 著

 これは元左翼であることを隠さなくなった元アナウンサーとロシアのスパイが「スターリンって何ですか」とか聞いてくる今の若者に当時の雰囲気を伝えるために頑張って対談した新書の2冊目(1冊目はおもに共産党コワイと社会党の回顧)。新書の分量の概説で対談形式なので、読みやすいことは読みやすいが、かなりコンパクトすぎる。僕は新左翼についてちびちび読んだり調べたりして居るから、ああこれはこういうことを言っているのだな、とだいたい分かるけど、記述をコンパクトにし過ぎると、分かったような分からないような概説本になりがちなので注意である。
 この本で初めて気がついた事と言えば、自治会費についての一点だけであった。
 新左翼のセクト同士の内ゲバが激しくなる原因が、大学自治会の主導権争いなのであった。これは各大学、各学部ごとにある学生自治会を、どのセクトが主導権を取るかで陣取り合戦をやっていて、60年代の最初の方には、有力な相手候補を大学寮の一室に監禁して会議に参加させないようにするくらいだったのに、途中から殴ったりするようになり、集団でボコボコにして骨折などさせて有力な相手をしばらく活動できなくしたりとエスカレートして行き、暴力事件で死人が出てからは、あとはセクト同士の凄惨な殺し合いになってしまったのだ。
 この、どの大学のどの学部はどのセクトが押さえていて・・・という所だが、僕は正直なんでこんな陣取り合戦に必死になるのかピンと来ていなかったのですが、「自治会費を握る」という点をサラリと指摘されていて、それで納得がいきました。要するにセクトの活動資金に直結する死活問題だったわけだ。カネが絡んでいるから各大学の自治会事務所が要塞となって他のセクトが近づくだけで襲撃されるという滅茶苦茶な事態になるのも頷ける。
 僕もけっこう何冊も昔の新左翼の解説書をちびちび読んでいましたが、セクトの大学間分布とか、影響力がどーのこーのという話をするかしないかばっかりで、自治会費にはっきり触れている本が意外と無かったように思えます。これは当時はあまりにも当たり前すぎて指摘する必要を感じなかったのか、僕が斜め読みばっかりして見落としまくっているからかは分かりません。

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