いかがでしたか？

学生時代に某ど田舎県山間部の医師募集3000万円で24時間365日拘束って条件に誰も応募がなかったって噂話、1200で3人集めたら揃ったのではとその時は思ったんだけど、大人になった今では多分1人決まった時点で残り2人の話は立ち消えて1200で24時間365日になるんだろうなってわかるから経験は大事。

— bao (@baobabustroll) November 14, 2020

　まあだいたいおわかりかと思いますが、無医村に一人医者が行くと、24時間365日拘束になりかねないので、誰も行かないんですな。いつ急病になるか分からないからね。だから値段下げても複数人体制にしろと誰もが言うのです。

　あと、問題は「田舎」と言うことなんですな。これは「田舎」と都会では人間関係が全然異なっていまして、要するに「田舎」って、その共同体の構成員について全員がほぼ把握していて、上下関係が確定しているのが前提なのです。
　この上下関係が固定しているってのが、問題でして、もちろんメリットもありまして、あらゆる事が上が下に命令するだけ、下は上の言うことを聞くだけ、になるので判断する労力をカットできるし権力争いに使う労力も防ぐことが出来るのです。でもそれじゃあ上に立つ人がちゃんと統治能力を持ってないと大変なんじゃ、と思うかも知れませんが、別に能力が無くても過去からの慣例を踏襲すれば良いだけの話なので能力なんか要らないのです。外部環境が変わらなければ問題は起こりません（だから外部環境が変わると田舎は衰退する）。
　ちなみに都会だと、自分が関わりの或る人全員の上下関係なんか把握できないので、その場その場で人間関係を判断してそこにふさわしい態度を選択するという高等作業を常に強いられるという状況になります。と言うか、上下じゃ無くて対等な取引の関係の場合がほとんどでしょう。
　ただ、この「人間関係を上下で判断する」というのは多分人間の根源的な態度なんでしょう。別に田舎じゃ無くても上下関係でしか動けないおっさんとか良く見ます。高圧的な態度で店員とかに威張り散らしていたのに、何か注意されると突然土下座し出すおっさんとか。これは、最初自分が上と思っていてそう振る舞っていたのだが、どうもそうじゃないと気がつくとひたすら下手に出るしか振る舞い方を知らないのですな。
　だから、よそから人が移住してきたときに、最初に何が起こるのかというと、上下関係の確認、マウンティングなんですな。実際、田舎に移住すると、近所の人が変な嫌がらせをやってきたという話をちらほら聞きますが、これ意味不明じゃなくて、ちゃんと目的があるのです。ただ都会の人だと、それが下らないマウンティングであるという発想がないので、移住したばかりだし不要なトラブルは避けようとして我慢してしまって、そしたらなんかいつの間にか自分が下に見られると言う事になってしまう。

　田舎ってそういう所なので、都会育ちの若い医者が理想に燃えて田舎に行くと、理不尽な嫌がらせをされた挙げ句に下っ端の使いっ走り扱いになると言うことが時々起こります。これは医者に限ったことじゃないですが。何かの嘱託でも地方振興でも、理想に燃えた若い人が、自分は田舎に人助けに行くのだから、当然地元の人もヒーローとして遇してくれるはずだと考えがちなんですが、残念ながらそういう事にはならないですな。
　特に医者なんか、権威を持って、と言うか患者が言うことを聞いてくれないと治療にならない訳なんですが、医者が下っ端扱いになるとこれは難しい。だいたいクソ田舎では昔から居る地元の医者なんてたいてい地方の名士扱いなので、ヒエラルキー的に問題になることは無かったのですが、新しい人が来ると問題が発生するのですな。

　あともう一つネタがあったはずだが忘れた。